徳畑に鎮座する徳畑天神社の例大祭について紹介します。天神郷4ヶ村(奥中・徳畑・茂利・中村町)の総氏神です。その例大祭は春に屋台が練り出される祭礼として知られ、毎年多くの参拝客で賑わいを見せます。神輿の渡御にあたる御旅神事を中心とした祭事が特徴で、2度の屋台の宮入りなど町内の他所にはない習俗が受け継がれています。氏子4ヶ村の屋台が宮入りしていましたが、翠明湖(糀屋ダム)の建設に伴い、昭和45(1970)年をもって徳畑の屋台の宮入りは途絶えることになりました。現在では、奥中・茂利・中村町の屋台が練り込み、天下泰平とよばれる独特の屋台唄を奉納します。天神郷には町役場やベルディホールなどの町施設が集中し行政の中心地としてだけでなく、商店・スーパーなど商業施設も林立し町生活を支えています。
重厚な布団屋根と鳴り太鼓が特徴の奥中屋台。繊細な狭間彫刻や井筒端の金具、高欄男柱の筋彫りなど見所豊富です。
白黒の袋綱が印象的な茂利屋台。花岡正一の作と伝わる豪快な狭間彫刻や絹常作の昼提灯、随所に意匠が溢れます。
赤い布団が目立つ中村町屋台。二代目松本義廣と一番弟子の堤義法、師弟二人で四面の狭間彫刻が手がけられています。